ABC検診

ABC検診(胃がんリスク検診)とは

ピロリ菌抗体検査とペプシノゲン検査を組み合わせ胃癌危険度を診断し、異常のある人に効率的に精密検査(胃内視鏡)を勧奨する検診です。従来の遂年X線検診より効率的であり、また受検者が自分の胃癌危険度を自覚出来るすぐれた方法です。
ピロリ菌は、胃癌発症の主役とも言われています。ピロリ菌感染により慢性胃炎→委縮性胃炎→腸上皮化生→胃癌という胃癌発症のメインルートが作られるのです。
ABC検診は採血のみでピロリ菌感染の有無(ピロリ菌抗体検査)と委縮性胃炎(ペプシノゲン検査)を判定し、胃癌発症の危険度を判定します。

注意点ABC検診は胃がん検診ではありません。

ピロリ菌とは

ピロリ菌(ヘリコバクター・ピロリ菌)とは、胃の中に棲息する細菌で、幼少時に人に感染し、胃に住みつき、慢性胃炎を引き起こします。
胃癌、委縮性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍、MALTリンパ腫、特発性血小板減少性紫斑病など様々な病気の引き金になることが証明されています。また、ピロリ菌の感染者は感染していない方と比較すると、胃がんのリスクが10倍以上も高いとされています。

ペプシノゲンとは

胃の消化酵素の前駆体(もと)で、ペプシノゲンⅠとペプシノゲンⅡに大別されます。この両者を測定することで簡便に委縮性胃炎を診断出来ます。委縮性胃炎ではⅠの低下とⅠ/Ⅱの比の低下が認められます。

ABC検診のメリット

簡単な問診と採血で検査が可能

ABC検診の検診方法は、簡単な問診と数㏄の採血で行うことができます。
また、当院では、診療時間内であれば、いつでも検診を受けることが可能ですので、お気軽にご相談ください。

費用について

ABC検診の費用は、問診・採血なども含めて4,800円(税別)で行うことができます。

ピロリ菌抗体とペプシノゲン検査によるABCD分類

判定 区分 ピロリ菌 ペプシノーゲン
正常 A 陰性 陰性
異常 B 陽性 陰性
異常 C 陽性 陽性
異常 D 陰性 陽性
  • A群・・・胃は正常、胃癌発症の可能性は極めて低い。
  • B群・・・胃癌発症のリスクあり。胃潰瘍にも注意。 最低3年に1回の胃内視鏡が必要。
  • C群・・・胃癌発症のリスク高い。 最低2年に1回の胃内視鏡が必要。
  • D群・・・胃癌発症のリスク極めて高い。 毎年胃内視鏡が必要。

各群の胃癌発見率

A B C D
胃がん発見率 ほぼ0% 0.15~0.17 1.89~2.38 1.89~2.38

検診対象とならない方

以下の人は対象になりません。

  • 潰瘍等で治療中
  • 胃切除後
  • 腎不全(クレアチニン値 3mg/dL以上)
  • ピロリ菌除菌後

また、このABC検診はあくまで無症状の方を対象にしております。
上腹部痛、腹痛等の症状のある方は保険診療の対象になりますので診察を受けて下さい。

奈良市胃がんリスク検診について

当院は奈良市胃がんリスク検診登録医療機関です。
対象者、検診の申込方法などは、奈良市ホームページをご参照ください。
奈良市ホームページ (http://www.city.nara.lg.jp)
胃がんリスク検診について(http://www.city.nara.lg.jp/www/contents/1434439156322/index.html)