胆石症・胆のうポリープ
胆石症・胆のうポリープについて | 奈良市の江川内科消化器内科医院
胆のうとは
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胆のうは、胆汁を一時的に貯めて濃縮する器官です。
肝臓は、消化酵素を含む胆汁を生成します。この胆汁は脂肪やビタミンの消化・吸収を助けます。
肝臓内には大きさが約7〜8cmほどの胆汁を貯めている袋があり、それを胆のうと呼びます。
そして、胆管と呼ばれる長さ約10〜15cmの管を通じて肝臓から十二指腸へと胆汁が送られ、食べ物の消化を助けます。
主な胆のう・胆管の病気
胆のう・胆管の病気で多いのは、胆石症、胆のう炎、胆のうポリープがあります。
これらの疾患のうち、胆石症と胆のうポリープは無症状であることが多く、超音波検査の際に発見されることが多いです。
一方、胆のう炎は激しい痛みや発熱などの症状が伴います。胆のう炎のほとんどは胆石によって引き起こされるとされています。
胆石は胆汁内の成分が結晶化してできる固まりであり、主な原因は脂質の摂取過多です。日常生活で脂質の摂取を控えることが重要です。
胆石症
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胆石は、胆汁中の成分が何らかの原因で固まってしまったものであり、胆道(胆のうや胆管、肝臓)内にできる結石です。胆石の位置によって、胆のう結石(80%)、胆管結石(20%)、肝内結石(2%)と分類されます。
これらの状態を総称して胆石症と呼びます。
胆石症の増加には、食生活の西洋化や高齢化が関与しており、その主な原因はコレステロールの摂り過ぎと考えられています。
コレステロールが増加すると、胆汁内のコレステロール量が増え、胆のうの機能低下などが引き起こされることがあります。
これがコレステロール石の形成につながります。特に肥満、女性、40歳代、白人、出産経験の多い人に多く見られ、糖尿病や家族歴に注意が必要です。その他、ビリルビンカルシウム石や黒色石などの胆石もありますが、ビリルビンカルシウム石は胆汁の細菌感染が原因で発生し、黒色石の形成原因は不明です。
胆石症の症状
胆石症には、特徴的な痛みである「胆道痛」と呼ばれるものがあります。
主な症状としては、脂っこい食事の後に、右の肋骨の下やみぞおち周辺、右背部、右肩に痛みが生じることがあります。この痛みは発作的であり、しばらくすると自然に軽減します。嘔気や嘔吐を伴うこともあります。
胆石が胆道に詰まると、胆汁の流れが妨げられ、停滞した胆汁に細菌が繁殖し、胆のう炎や胆管炎を引き起こすこともあります。特に、痛みに発熱や黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)、ビリルビン尿(褐色の尿)などの症状がある場合は注意が必要です。
一方で、胆石があるにもかかわらず症状が全くない無症状の場合もあり、これを無症状胆石と呼びます。
胆石症の治療
胆のう結石による症状が繰り返される場合、一般的には手術が行われます。
この手術は胆のう摘出術と呼ばれ、胆石を含む胆のう自体を切除します。
また、胆のう炎が合併している場合には、抗菌薬の投与や胆のう内の膿を排出するための胆のうドレナージ術が行われることもあります。一旦炎症が収まった後、最終的には胆のう摘出手術が行われる方針となります。
胆管結石の場合には、内視鏡を使用して結石を取り除く方法が選択されます。困難な場合は手術が必要な場合もあります。
薬物療法によって胆石を溶かす治療も存在しますが、胆石の成分によっては効果が限られる場合があり、再発のリスクも高いとされています。
無症状胆石と呼ばれる、痛みなどの明らかな症状がない場合は、治療を行わずに定期的な経過観察が行われます。
胆のうポリープ
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胆のうポリープとは、胆のう内部に生じる突起した病変の総称です。
一般に、ほとんどが良性であり、長期間にわたって増悪することなく経過します。ただし、一部の胆のうポリープには、胆のうがんが潜んでいることがあります。そのため、大きなポリープや形が不規則なポリープ、増大してくるポリープなどは特に注意深く観察する必要があります。
胆のうポリープの治療
ほとんどの場合、胆のうポリープは良性であるため、治療は行わずに経過観察されます。
ただし、悪性が疑われる場合には、胆のうごとポリープを摘出する胆のう摘出術が行われます。
この手術は専門の医療機関で行われ、胆のうを丸ごと取り除きます。胆のうを摘出しても一般的には大きな問題はありません。
悪性を疑う基準としては、ポリープの直径が10mm以上であること、経過観察中にポリープが増大していること、ポリープの茎が幅広い(広基性)こと、超音波検査でがんが疑われる所見(充実性低エコー)があることが挙げられます。
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